
[静岡・吉原の個性的な人々]海を愛しクジラに愛された和製ジャック・マイヨール(映画『グラン・ブルー』より)
薄井 誠 / まっ工房
「鯨類の専門家」である薄井さん。一体どんな職業なのだろう?
仕事場である「まっ工房」には、色々な海洋生物の骨、とりわけクジラのあらゆる部位の骨が所狭しと保管されていた。海への憧れとロマンをつめこんだ、大人の秘密基地だ。
まっ工房というこの空間も、少し不器用な生き方も、専門家としてのクジラの話も、とても人間味が溢れていて、薄井さんの生き様を感じられる。
日々様々な生き物と向き合い、暗黙の会話をする。そしてそれぞれが生きていた頃の姿や動きを導き出し、本来の形を再現してあげること。それが彼の仕事だった。尽きることのない探究心と憧れが、薄井さんを突き動かしていた。
子供の頃に大好きだったもの。それを何年も何十年も変わらずとことん追求し続けた人が、研究者や専門家になるのかもしれない。
薄井さんの生き様に触れて、「好き」をとことん追い求めることの尊さを学んだ。





「静岡・吉原の個性的な人々」とは?
景色や食べ物、街の魅力は色々あるけれど、やっぱり一番はその街の空気をつくる「人」だと思う。
私たち夫婦「パラノア – paranoa」が、静岡県富士市吉原の居酒屋やカフェで出会った魅力的な人々。
街を歩いて次々と知り合いになっていくように、街とそこに暮らす人々のやわらかな空気感を感じてほしい。
静岡・吉原を歌ったパラノアの楽曲
人となり一問一答
名前を教えてください
薄井 誠(うすい まこと)
やっていること(お仕事)
鯨類の骨格標本作成
それがメインですが、他にも色々。
(取材時、サンアイ工業さん、のりさんと共に国立科学博物館の企画展
「大哺乳類展2 みんなの生き残り作戦」に展示されるマッコウクジラの骨格標本を手掛けていた)
やりがいは何ですか?
常に新しい発見があること
尽きないですね、うん。
この街の魅力
人材が宝
ずっと東京にいて地元に魅力を感じていなかったんだけど、
今回仕事を通じてサンアイ工業さん、のりちゃんと出会えてこれは最強だなと。
切羽詰まってくると、陽平さん(サンアイ工業)が「楽しいねー」っていうんだよね。そういうところがまた良いんですよ。
この街の好きな場所は?
ここ(まっ工房)
富士山も見えるし、守護神として水の神様と火の神様が見守ってくれている気がする。
倉庫なんですけど、落ち着く空間ですね。
世界中の人に声が届くとしたら、何を伝えたい?
本当に正しいことを発信していきたい
世界的な指標になることを意識していますね。
無人島に何か1つだけ持っていくとしたら?
水
理由?そうねー、水があれば20日間くらいは生きられますからね。
今までした中で一番クレイジーなことは?
毎回クレイジー
仕事は毎回クレイジーですね。
人に魅力を感じるのはどんな時?
その人のオーラ
感覚的にそういうものを感じる気がしていて、合う人だと連鎖が楽しいですね。
あなたにとってのヒーローは?
山田 格(国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ長)
科博(国立科学博物館)自体が自分にとってのパワースポットで、
そこにいる人達もパワーがあって良い影響を受けていますね。
その中でも僕にとってのメンターは山田先生かなぁ。
あなたの夢は?
海の見えるところで暮らしたい
海は怖いけれど、やっぱり海が好きです。 この辺って奥駿河湾なのですが、なんとなく地平線が丸いんですよ。
それがすごく好きでね。死ぬなら海で死にたいなっていうのはあります(笑)。
『グラン・ブルー』(1988年に公開されたフランスとイタリアの合作映画。)がすごく好きで。
映画の最後には主人公がイルカの世界に行っちゃうんだけど、それが私の理想ですね。
わたしの必殺技
やる時はやる
わたしのバイブル
『青のフェルマータ』村山由佳 著
静かな海やどこまでも続く水平線、夜沿岸にイルカが泳いできて…。 そんな情景が自分のルーツになっていると思う。
わたしは大体ここにいます
まっ工房
住所 : 静岡県富士市松岡1816−1
Tel : 080-1211-7718
Web : http://makkobo.com/